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女騎士「起きろ。勇者」
- 1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:34:28.051 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「起きろと言っている」
勇者「ん〜。……もう少し」
女騎士「いいかげんにしろ馬鹿者。早く脱出しないと洞窟が崩れるぞ」
勇者「んあ? ん〜。……ゔぇ!?」
女騎士「ようやくお目覚めか」
- 2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:35:27.418 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「だっ、誰ですか貴女!? こ、ここはどこ!?」
女騎士「『私は誰?』は勘弁してくれよ。私は……まあこんなナリだ。女騎士とでも言っておこう」
勇者「は、はあ。えっと……」
女騎士「ここは勇者の霊廟だ。お前はここで、ざっと1000年ほど眠りこけていた。」
勇者「……。は? せ、1000年? ……なにをバカな。僕は魔王を倒したんですよ!」
女騎士「そのあとどうした」
勇者「えっ、それで…………それで……あれ?」
女騎士「瀕死の魔王から最後に魔法を喰らったのを憶えているか?」
勇者「……あ」
- 3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:37:21.119 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「憶えているようだな」
勇者「ぼ、僕はーー」
女騎士「お前は勝鬨を上げる間も無く昏睡。死んだと思って仲間は大泣き。後ろ髪を引かれる思いで、お前をここに安置した」
勇者「そっ……なんでそんなこと貴女に分かるんですっ!?」
女騎士「そこの岩壁にそういう碑文が刻んである」
勇者「……。本当だ。『ーー誰も彼を連れて帰る力無く、弔うだけの時もなく。早く島を離れなければーー』これ……剣士の字だ」
- 4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:39:05.194 ID:gn/JIuqj0.net
- 1000年前の古代文字を難なく解読する有能女騎士
- 5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:40:32.738 ID:XgFCDfpt0.net
- 仲間の墓参りからって切ない
- 6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:40:41.464 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「そのあと何十年も経って、本土からの入植者がこの島に入ってきた。彼らは綺麗なままのおまえの死体に驚き、この洞窟を飾り付けて霊廟としたわけだ。
いま入っている豪勢な棺は、300年前に島民が寄付を募って用意したものだそうだぞ。……まあ、結果死んでいなかったわけだが」
勇者「じゃ、じゃあ本当に……」
- 7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:41:29.104 ID:YVmIgH5M0.net
- 魔法食らってもキレイなんだ
- 8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:41:44.902 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「1000年弱経っている。かつて魔王が居を構えたこの島も、いまはサン・ヴェルニー島だ。1000年越しで恐縮だが、魔王討伐おめでとう」
勇者「ヴ、ヴェルニーって僕の……。それに"サン"てーー」
女騎士「あれだけの功績だ。おまけに遺体が腐らないときた。当然列聖されている。だがまぁ生きているんなら、一旦取り消しだな。ははは」
勇者「わ、笑いごとじゃーー」
『……〜い。隊長〜。おーい』
女騎士「……む、どうやら時間をかけ過ぎたようだ」
- 9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:44:43.658 ID:vVYCy8xl0.net
- オーク「おーい。あっ! いた! なにやってんですか隊長。さっさと行きますよ! ってーー」
勇者「魔物っ!」
オーク「し、死体が喋ったぁ! マジだったのかよあの婆さん! 黒魔術でもやってやがったのか!」
勇者「女騎士さん! なにをしているんです! 貴女も騎士でしょう!? 早くそいつを倒して!」
オーク「な、なんだこいつ!? いまどき人種差別か!? 出るとこ出るか? あん?」
勇者「な、なにをーー」
女騎士「落ち着け二人とも。軍曹、こいつは1000年前の人間だ。ちぐはぐな発言は容赦してやれ。ーーそれと勇者、今はこういう時代だ。部下への侮辱は控えて貰おう」
勇者「オ、オークが部下……」
女騎士「話は後だ。まず脱出する。地震で構造に限界がきているらしい。ーーほら、生きているならさっさと棺から出ろ」
勇者「は、はい」
- 10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:46:58.106 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー洞窟の外。
勇者「の、のどかな花畑……。これが魔王の城があった島?」
女騎士「軍曹、入り口に立ち入り禁止の看板を」
オーク「あい」
勇者「あ、あの、ここ本当に、魔王の島ですか?」
女騎士「本当だ。今は一つの港町と、2つの農村、3つの漁村がある」
勇者「信じられない……」
女騎士「そうか? 植生など大して変わっていないはずだが。まあいい。さっきも言った通り、大きな地震があってな。この風景ではピンとこないだろうが、町も大きな被害を受けた。お前が目覚めたのもそのせいだろう」
勇者「……そうなんですか。起きれたのはいいですけど、素直に喜べません……」
- 11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:49:07.668 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「ま、お前が悪い訳じゃない。気に病むな。地震が起きたのは昨日の朝だ。私の部隊も総出で人命救助にあたっていた。
それがひと段落したとき、霊廟の掃除が日課の老婦人が、『聖ヴェルニーが鼻の頭を掻いた』と駐屯地に飛び込んできてな。……頭がイカれたのかと思ったが、どうも違うらしい。それで崩落の危険もあったんだが、私がお前を起こしに行ったわけだ」
オーク「ったくあの婆さん、危ないから中には入るなって言ったのに」
勇者「な、なるほど。わざわざありがとうございます。……あと、聖ヴェルニーは恥ずかしいんでやめて下さい」
女騎士「はは、そうだな。だがお前の伝説のおかげで、この島は今でも我がガリア領だ。周りの島はほとんどアルビオン領だが、この島のおかげで漁業権が対等なんだぞ。漁民はみんな感謝している」
勇者「そ、そんなつもりで頑張ったわけじゃ無いんですけど。……でもガリアか。……懐かしいな。旅立ったのは3年前のはずだったのに。いつの間にか1000年前か……。もうみんな……」
女騎士「死んでいる。とっくにな」
オーク「隊長、可愛そうでしょうが」
- 12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:52:25.896 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「事実だ。しかしお前のおかげで、子孫たちは元気に生きている。私もその一人だぞ」
勇者「女騎士さん……。うっ、うっ……」
女騎士「なんだ涙もろい。伝承のとおりか」
オーク「……ん? 馬が来る。三頭。……あいつらですよ。隊長」
衛兵隊長「総督。連隊長がいます」
総督「ああ。ーーやあ少佐、無事だったかね」
女騎士「は。……彼はこの通り」
総督「それはそれは。……馬上から失礼、勇者様。貴方が勝ち得たこの島の総督をやっています。お会いできてーーいや、お話できて光栄だ」
勇者「別に……島のためでは」
総督「では私はこれで。忙しいもので。少佐、洞窟は危険だ。以後、絶対に人を入れないように」
女騎士「……は」
総督「ではまた」
勇者(立派な馬だ。きっと手間暇かけて出来た品種なんだろうな。……1000年か……)
- 13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:55:14.781 ID:vVYCy8xl0.net
- オーク「けっ、いけ好かない野郎だ」
女騎士「そう言うな。人命救助に総督府公館の衛兵も出してくれた」
オーク「ほんの数人ですけどね」
勇者「……あの、僕はどうすれば」
女騎士「とりあえず付いて来い。町まで行くぞ。途中に勇者記念館があるから、そこで私物を回収しろ」
勇者「の、残ってるんですか!?」
女騎士「使えそうなのは剣、胸当て程度だ。服はボロボロだから期待するな。町で用意してやる。いつまでもその白装束だと不気味だからな」
勇者「あ、ありがとうございます」
- 14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:55:35.095 ID:wS8h1Ekx0.net
- >>4
多くの国は1000年前と変わらず同じ文字を使ってますが
- 15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:56:57.631 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー勇者記念館
女騎士「邪魔するぞ」
じじい「今日はやってないよ。地震の影響で当分休みだ」
勇者「あの……」
じじい「!? あっ……貴方は……! いやそんな、まさか……。はっ! あの婆さんっ、やっぱり黒魔術を!?」
女騎士「地震で起きただけだ」
勇者(霊廟を掃除してくれてたお婆さん、ヤバイ人なのかな……)
じじい「と、とにかく奥へ。ここにあるのはあなたがた御一行ゆかりの品ばかりだ! さあ、さあ!」
勇者「は、はあ」
- 16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 01:59:28.496 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー記念館を回って。
じじい「どうでしたかな? エルルの生家から取り寄せた物まであるのは驚いたでしょう! どれも正真正銘の聖遺物です!」
勇者「はは……あの、一応まだ生きてるんで。ていうか、なんか盗まれた物が飾ってあるみたいな感覚なんですけど……まあ1000年前ですもんね。どれもボロボロだし」
オーク「ショックだわな」
じじい「そして最後、これが我が記念館の目玉、あのジョゼフ・スクリアビン作、『勇者一行』です!」
勇者「うわぁ、大きな絵ですね……。なにがモチーフですか?」
じじい「へ? いやだから、勇者一行です」
勇者「は、はは。全然似てないや。いや、僕だけは似てるか。ずっと寝てたから、顔は描けますもんね」
- 17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:00:28.492 ID:fxy/jJfOp.net
- めっちゃ面白いのになぜ平日の深夜にやろうと思った…
- 18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:00:57.726 ID:YVmIgH5M0.net
- なろうに投稿してくれ
- 19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:01:25.310 ID:vVYCy8xl0.net
- じじい「い、一応250年くらい前の作品でして、その、有名な画家が……」
勇者「剣士はもう少し背が低くて、黒髪です。魔術師さんはこんなに胸が大きくないし。美化しすぎですよ。馬も……もっと……小さくて……ロバみたいで……ぐすっ」
オーク「おいおい」
勇者「うっ、うっ……会いたい。みんな……。僕は……うぅ……」
じじい「こ、こりゃ困った」
オーク「まあ、無理もねぇなあ」
女騎士「いまは泣かせてやれ」
- 20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:04:05.081 ID:vVYCy8xl0.net
- ーーーー
勇者「……じゃあ、この剣だけいただきます」
じじい「こんな事言うのも何ですが、大切にして下さい。重要文化財ですから」
オーク「結局、一番興味を引いたのは壁掛け時計、か」
女騎士「ではなご老体。持ち主が現れたんだ。勝手に売っぱらったりするなよ」
じじい「分かっとるわい! アンタこそしっかりと勇者様の世話をせえよ!」
- 21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:05:33.843 ID:vVYCy8xl0.net
- ーーーー
女騎士「ほら、町が見えてきたぞ」
勇者「ほ、本当だ。立派な町がある」
オーク「さ、行きましょう。もういい時間だ」
- 22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:07:27.310 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー港町。イル・オー・ヴェルニー。
町人「お、おい、あれ……」
町人「あ、ああ」
オーク子供「勇者様だー」
オーク町人「こら、指差さないの」
女騎士「目立ってるな」
オーク「しゃーないですよ」
女騎士「まずまともな服を着せるか。そうすれば騒ぎもマシになるだろう」
勇者「あはは……ところどころ瓦礫にはなってますけど、皆さん逞しいですね」
- 23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:08:44.446 ID:JFCxdsQR0.net
- 面白いなこれ
今までにないパターンじゃない?
- 24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:10:05.624 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー服屋
服屋の主人「いやーお似合いだ」
勇者「そうですか? なんだか落ち着かないな……」
女騎士「少々田舎っぽいが、良いと思うぞ」
服屋の主人「はいはい、そりゃあ軍人さんはエルルから来た都会っ子だからね。だけどウチで一番良い服なのは間違いないよ」
勇者「あ、ありがとうございます」
女騎士「幾らだ?」
服屋の主人「勇者様から金はとれないね」
勇者「いや、そんなわけにはーー」
服屋の主人「さ、行った行った。まだ片付けの途中なんだ」
- 25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:10:47.797 ID:0uBnwPgga.net
- 面白い
- 26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:11:58.038 ID:o5ewSOLI0.net
- wktk
- 27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:12:03.085 ID:tSd6bFCe0.net
- 良いぞ
- 28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:12:11.910 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー大通り
勇者「……あの、女騎士さんてエルル出身だったんですね」
女騎士「ああ。雰囲気で分からないか? どこからどう見ても、垢抜けたエルレジェンヌだろう」
勇者「僕、この島の人かと」
オーク「ぶふっ」
女騎士「笑うな軍曹」
勇者「す、すみません。でも、同郷の人って分かって、なんだか嬉しくて」
女騎士「家も近いぞ」
勇者「本当ですか!?」
女騎士「ああ。お前の生家の前を、犬の散歩でよく通った。あそこも無料で解放されている」
勇者「ぼ、僕の実家が無料で……」
女騎士「まぁ、火事のたびに復元されて、いまの家は3代目だがな」
勇者「……」
オーク「……果たしてそれを実家と呼ぶのか」
- 29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:14:46.893 ID:vVYCy8xl0.net
- 「たいちょー」
オーク「ーーん? ルイの野郎だ」
兵士「た、隊長、いた。はぁ、はぁ……たいちょゴホ」
女騎士「落ち着け。どうした?」
兵士「み、港で救援物資を積んだアルビオン海軍の艦と、ルテニア海軍の艦がかち合っちまって。大型船の船着場が一つしか空いてないもんだから、ど、どっちも譲らなくて、それで……」
オーク「……はぁ、またアレだ。間違えたのはルテニアのほうだろ。この島には滅多に来ねえしな」
女騎士「到着時刻から考えて、アルビオンのアバンダンスが正しい。ルテニアのクニャージ・リヴァーノフは、この島のタイムゾーンを勘違いしたクチだろう。周りの島はアルビオン領で、CMT+1だからな」
- 30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:17:23.703 ID:vVYCy8xl0.net
- 兵士「ええ、こっちもそう説明してるんですが、ルテニアはアルビオン相手だからムキになってて……オマケにCMT+2だなんて聞いてないと、こっちの不手際を主張してるんです」
女騎士「……まったく。本土から離れているからといって舐められているな。ここも立派なガリアだというのに」
兵士「総督は居場所が分からないし、港長じゃ収められないし。とにかく大変なんです!」
女騎士「いいだろう。総督も今は文民だ。この島に私以上の階級の人間はいない。私が話をつける」
オーク「大丈夫ですか!?」
女騎士「明日の早朝には我が軍のエクーとブレアーゼルが入港する。それまでに、少なくともアバンダンスには港を離れて貰わなければならん。時間がない」
オーク「勇者はどうするんです?」
兵士「ゆ、勇者ぁ? あっ、ああああ!」
女騎士「とりあえず連隊駐屯地で面倒を見ておけ。丁重にな」
オーク「了解」
兵士「し、死体が、あ、あ……」
- 31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:19:00.579 ID:JFCxdsQR0.net
- 女勇者の髪色金髪で妄想してる
- 32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:19:07.030 ID:JFCxdsQR0.net
- 騎士か
- 33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:19:25.982 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー2時間後。ヴェルニー連隊駐屯地。食堂。
主計課エルフ「え、え、じゃあ彼女がエルフだったらどうですか?」
勇者「そ、そうですね……。やっぱりなんかこう、森の中の神秘的な民っていうのもあるし……。自慢? なのかな」
主計課エルフ「きゃー。森の中の神秘的な民ですって!」
主計課エルフ2「いまじゃ『耳長いね』くらいしか言われないのに!」
オーク「むこうは盛り上がってるな」
一等兵「実際、耳長いだけよな。あいつら」
- 34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:22:23.101 ID:vVYCy8xl0.net
- バタンッ!
兵士「み、みんなーっ。大変だー!」
オーク「またお前か。今度はなんだ」
兵士「た、隊長が!」
オーク「っ!? 隊長がどうしたっ。まさか軍艦同士の揉め事で、何かあったのか!」
兵士「いや、そっちはあっさり解決して……」
オーク「はぁ?……じゃあどうした?」
兵士「救援物資の分配で、総督と揉めてる」
オーク「っ、あの嬢ちゃん……まったく……」
兵士「総督はいつものアレだ。何でも『慈悲深い総督から島民へ』をやりたがるからよ」
オーク「ったく、この非常時に」
一等兵「やだねぇ」
勇者「……。あっ、あの」
オーク「ん?」
勇者「こんな言い方したらアレですけど、もしかして僕が出れば解決したりしますか? なんて……」
オーク「……へへ。そうだな。したりするかもよ?」
主計課エルフ「きゃー、勇者様カッコいいー!」
- 35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:23:52.052 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー港の端。
総督「わからん奴だな。君は」
女騎士「貴方こそ」
総督「届けられた品は、一旦総督府で管理、仕分けが必要だ。公平に行き渡るためにも」
女騎士「時間がありません。島の反対側の漁村まで、すぐに運ばなければ」
総督「そんな事は分かっている。だからこそーー」
女騎士「ではその漁村の名前は?」
総督「……」
女騎士「答えられませんか。この島には一つの町と、五つの集落があるだけですよ?」
総督「君は総督である私に楯突く気かね」
- 36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:27:09.636 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「はっ、何が総督だ馬鹿馬鹿しい。本土でしくじって、島流しにあっただけでしょう。ここはド田舎だ。世界の果てですよ。……でもそれで良かった。
あなただけじゃない。私の連隊だって名前だけだ。小隊に毛が生えた程度の人数しかいない。尉官すらいない。でもそれで良かったんだ。
勇者が眠るだけの、綺麗で静かな島だった。それを貴方はーー」
総督「もういい。……確かに名ばかりだ。お互いな。だが、私は本土に返り咲く。その為に金は貯めた。だがそれだけじゃ駄目だ。良い評判がなくてはな。
今回の地震はチャンスだよ。私の手から救援物資を配る。困窮した島民の救世主として名声を得るんだ。……邪魔をするなら君をーー」
勇者「おーい。すみませーん!」
女騎士「! 勇者……なぜここに」
勇者「あのー! ここの物資ですけどー! よければ運ぶの手伝わせてくださーい! 配るんですよねー! いますぐー!」
総督「チッ……。ええー。勿論です。勇者様ー。私からもお願い致しまーす」
女騎士「っ、貴様……」
総督「こういう変わり身の速さが必要なんだよ。本土ではね。ーーでは。命拾いしたな、少佐」
- 37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:29:50.996 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー漁村。ル・レラン
漁師「いやー。助かった。魚だけじゃどうしようもなくてよぉ。真水も必要だし、やっぱ陸のもんも食わなきゃなぁ」
漁民「へっ、いっつも畑仕事なんざ男の仕事じゃねぇとか言ってるくせによ」
勇者「はは。畑仕事も大変ですよ」
漁師「わ、分かってまさぁ勇者様。それよりコレ、島の特産品。アンチョワの塩漬け。パンに乗せてどうぞ。うまいんでさぁ、コレが」
勇者「ど、どうも。ーーん? ……この瓶の絵」
女騎士「あ」
勇者「こ、これ、洞窟で寝てるときの僕の絵ですよね! しかも、『いつまでも新鮮』『サン・ヴェルニー島のアンチョワ塩漬け』って……」
漁師「あ……。いやー。参ったなこりゃ」
- 38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:31:41.296 ID:vVYCy8xl0.net
- 漁民「か、勘弁してくださいっ。勇者様っ。島の特産品なんです!
いつまでも腐らない勇者様のお身体にあやかって、保存のきくアンチョワを売ってるんです! リグリア産のアンチョビに負けないためには、勇者様の絵を載せるしかーー!」
女騎士「とっくに死んでいる思ってたからな。許してやってくれないか」
勇者「え、ええ……はい。まあお役に立っているんであれば……」
漁民「ありがとうございますっ」
勇者(これ、島の外にも出回ってるんだ……。今じゃ僕ってアンチョワの瓶の人なのかな。なんか恥ずかしい。)
女騎士(そういえば、小さい頃はアンチョワの瓶の人って呼んでいたな。本人には口が裂けても言えんが)
- 39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:33:34.011 ID:JFCxdsQR0.net
- いいね見てるよ🤗
- 40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:34:17.941 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー夜。ヴェルニー連隊駐屯地。兵舎。
勇者「ほとんどの人は家に帰るんですね」
オーク「ま、小さな島だ。わざわざ兵舎で寝泊まりする必要も無いってね。新兵が最初の半年暮らすだけさ。あとは金のない奴がこの通り、家賃がタダのここに住み着いてる」
兵士「人を貧乏人みたく言うない。節約志向なだけだ」
主計課エルフ「じゃあ勇者様、また明日」
主計課エルフ2「おやすみなさーい」
勇者「ええ、おやすみなさい」
ーーーー
オーク「……部屋まで案内するよ」
勇者「……。ええ」
オーク「寝るのが怖いか?」
勇者「はは、お見通しですか。……もしいま寝て、起きたらまた1000年経ってたらどうします? 今日出会った人たちも、とっくにみんな死んでて……。みんなだってそうだ。僕にとっては、昨日まで生きていたみんなが……」
オーク「明日、蹴ってでも起こすよ」
勇者「……優しいんですね」
オーク「魔物とは思えねぇか?」
勇者「あはは。あなたも人間ですよ。……魔物なんて居なかったんだ。こっちがそう決め付けただけで。……女騎士さんは?」
オーク「隊長は士官用の宿舎だ」
勇者「そうですか。ずっと一緒だったから、離れると寂しいな」
- 41 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:34:32.529 ID:0uBnwPgga.net
- 支援
- 42 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:36:51.332 ID:0uBnwPgga.net
- コールドスリープ的要素
- 43 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:38:02.341 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー深夜。
『いつもの酒場じゃないのか』
『こんな夜更けまでか? 隊長らしくない』
勇者「……オークさんと、兵士さんの声?」
オーク「とにかく、唯一の士官の居場所が分からないとあっちゃあえらいことだ。下士官の俺が指揮官だぞ。そんなの御免だね。器じゃない」
兵士「だろうよ。俺たちゃ階級なんて気にしたこともないしな。隊長だけが俺たちの親分だ」
オーク「とりあえず酒場を見に行ってくる」
兵士「俺は駐屯地をもう一回りするよ」
かちゃ。
勇者「オークさん」
オーク「! ゆ、勇者。起こしちまったな。悪い」
勇者「元々寝てませんから。それより女騎士さんを探すんでしょう? 一緒に行かせてください」
- 44 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:39:13.115 ID:1lIy8VSU0.net
- 見てるぞ
- 45 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:39:43.175 ID:NvDnp1DH0.net
- なかなか面白いぞ
正直こんなとこに投下するのは勿体無いと思うぞ
- 46 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:39:50.134 ID:189IIAo30.net
- いいねえ
- 47 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:39:53.960 ID:vVYCy8xl0.net
- ーーイル・オー・ヴェルニー。酒場、レ・エロー前。
総督衛兵「それでっ! 連隊長とマスターはどこへ行った!?」
酔った親父「し、しらねぇよぉ。二人でこそこそ話し込んで、急に店じまいにしやがるもんで、俺も訳がわかんねぇ」
総督衛兵「他に誰か、二人の行き先を知る者は居ないかっ!?」
町人『…………』
総督衛兵「誰も居ないのか! 隠し立てすると為にならんぞ! どうなんだ!」
衛兵隊長「よしたまえ。我々があまり好かれていないのは、君たちの威圧的な態度のせいだぞ」
総督衛兵「は、はい。申し訳ありません」
- 48 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:41:15.923 ID:vVYCy8xl0.net
- 衛兵隊長「皆さん、お騒がせしました。ではこれで。駐在殿ももう結構です」
駐在警官「平和な島だ。厄介ごとは勘弁してくださいよ。こっちは逃げた家畜捕まえるのが唯一の仕事だってのに」
衛兵隊長「もちろん。島の人々とは友好的な付き合いを望んでいます。ではーー」
町人「……けっ、てめえが一番好かれてねぇってんだ」
駐在警官「こら、滅多なこと言うんじゃないよ。ほら解散だ、解散」
- 49 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:43:09.263 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー物陰
勇者「な、なんか大変な事に」
オーク「不味いな」
勇者「ど、どうするんですか?」
オーク「レ・エローのマスターと出かけたって事は……。もしかしたら、もしかするかもしれない」
勇者「もしかして、駆け落ちですか」
オーク「いい大人がンなことしねぇよ。大体島のどこに逃げるんだ」
勇者「た、確かに。じゃあ一体……」
オーク「マスターは隊長と同じ本土人だ。島に来た時期もそう変わらねぇ。だから噂好きはみんな、二人がスパイじゃねぇかって言ってたんだ」
勇者「間者、って事ですか。一体どこの?」
オーク「本国さ。総督の悪事を暴くため、ガリアの情報組織から来たーーってのが一番人気のある説だな」
勇者「悪事? こんな平和な島で?」
オーク「ああそうさ。この島はな……まあアンタの名前が付いているのに申し訳無いがーーいわゆるパラディ・フィスカルなのさ」
- 50 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:43:09.951 ID:0uBnwPgga.net
- キャラたちが生きているって感じがする
- 51 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:45:04.769 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「パ、パラディ? 何です?」
オーク「租税回避地(タックス・ヘイヴン)だ。最近有名になりつつある」
勇者「なんなんです? それ」
オーク「簡単に言やぁ、企業の税金がバカみたい安い土地さ。だから大陸中の大企業が支社を作ってる。そこに金を流して税金逃れって寸法だ」
勇者「大企業……。僕の時代だと貿易くらいしか思いつかないですけど」
オーク「ま、今も大体そんな感じだ。が、もうちっと複雑さ。
ーー例えばあの三階建ての建物。あそこにはガリアの総合商社と、トロイセンの農機具メーカー、リグリアの飛行箒メーカー、それにユールコルシアの高級家具メーカーの支社が入ってる。
あんなちっぽけな建物にだ。馬鹿みたいだろ。どの会社の製品も島で一度も見た事がねぇ。オマケにオフィスは共同だとよ。はっ、隠す気もねぇわけだ」
勇者「……ガリア本国は?」
オーク「元々は本国の指示で税金を下げたんだ。だが目的はもちろん税金逃れじゃない。企業誘致で島の活性化を図る為だ。それを総督が捻じ曲げて、私腹を肥やしてるってわけさ」
勇者「そ、そんなことが」
- 52 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:47:27.342 ID:vVYCy8xl0.net
- オーク「だからこそ、隊長がそれを調べに来た本国のスパイなんて噂が立つ。もっとも、にわかに真実味を帯びてきやがったが」
一等兵「おい」
オーク「! な、なんだお前か。脅かすな」
一等兵「兵士の奴が、勇者の霊廟に向かう灯りを見たそうだぞ。多分隊長だ」
勇者「え? あそこへ? なんで……」
オーク「……やっぱりな。何かあるんだ。あそこに」
一等兵「急いだ方がいい。きっと衛兵連中も向かってる」
勇者「ぼ、僕のお墓だけじゃない?」
- 53 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:47:34.835 ID:0uBnwPgga.net
- なんか元ネタあるのこれ
凄い設定練られてるって感じがする
- 54 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:48:26.130 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー勇者の霊廟
マスター「魔力式の隠し扉か。よく気がついたな」
女騎士「伊達に毎日調査していないーーと言いたいところだが、地震の影響で装置の一部が露出していた。それで気がついたんだ。動力部はトロイセンのメーカーが作っている魔力式ソレノイド。この島で、初めてあの会社の製品を見た。粗末なオフィスはだいぶ前からあったがな」
マスター「はっ、どうりで総督府公館にも、島唯一の法律事務所にも証拠がねぇわけだ。悪人どもが」
女騎士「さあ、早く出よう。重たくて仕方ない」
マスター「機密文書だけでこの量だからな。俺も手が痛いよ。まったく」
「だったら」
『!』
- 55 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:49:33.177 ID:tuZ1kNZQ0.net
- 固有名詞までちゃんと付けてる当たりVIP用のじゃないだろこれ
寝れないんだが
- 56 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:50:15.910 ID:vVYCy8xl0.net
- 総督「手伝いましょうか? お二人さん」
マスター「……あーあ」
女騎士「……諦めろ総督。独立した小国ならまだしも、ガリア領でこんな悪事。長続きするわけがない」
総督「悪事とは聞き捨てならないな。私は本国の意向に沿って、島を運営しているつもりだ」
女騎士「なら、我々も本国の意向だ。通して貰うぞ」
衛兵隊長「いいや連隊長。ーー残念だがこれまでだ」
女騎士「はっ、当然、貴様も居るわけだ……」
衛兵隊長「士官学校では優しくしてやったのに。残念だよ」
女騎士「……目つきがいやらしくて、あの頃から大嫌いでしたよ。先輩」
衛兵隊長「ふふ。抜け。同じ〈エスカリボール〉同士、正々堂々勝負といこうじゃないか」
女騎士「あなたに正々堂々を期待したことはないが、いいでしょう」
- 57 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:55:07.252 ID:JXP4OTum0.net
- 面白い
書き溜めてるんだろうけど完結はしてるのか
- 58 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:56:44.530 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー洞窟の外の茂み。
オーク「……遅かった。やっぱり洞窟の前は衛兵が固めてるな」
勇者「あ、あんなに居たんだ」
兵士「島を守る俺たちより、総督府公館を守る兵士のが多いんだぜ」
オーク「しっ、連中、何か騒いでるぞ」
- 59 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 02:59:26.234 ID:vVYCy8xl0.net
- 総督衛兵「ぜ、全員下がれ!」
総督衛兵「た、隊長ー!」
女騎士「ーーそらっ! どうしたっ! そんなものか!」
衛兵隊長「ぐうぅぅ!」
ーー
勇者「っ! 女騎士さん!? 女騎士さんが出てきましたよ! それにあの人ーー」
オーク「衛兵隊長だっ。ザマァ見やがれ! 圧されてやがる!」
- 60 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:00:22.138 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「剣を捨てろ! ここで殺す価値もない! 本国に送還してから洗いざらい吐いて貰うぞ!」
衛兵隊長「誰がお前なんかにぃっ! くそぉっ! 貴様ら、手伝わんか!」
総督衛兵「えっ!? しかしーー」
衛兵隊長「馬鹿どもが! 大昔の決闘じゃないんだよ! さっさと殺せ! さあ!」
総督衛兵「は、はいっ」
総督衛兵「か、かかれー! 隊長に加勢しろー!」
- 61 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:02:05.317 ID:vVYCy8xl0.net
- オーク「ま、不味い! 出るぞ勇者! ……勇者? どこにーー」
兵士「お、おい! あれーー」
総督衛兵「あ、あ……。い、いつの間に……。ゔっ、ぐふ。……いづのまにいぃぃぃ……あぁぁ……ぁ」
勇者「まずひとり」ギロッ
衛兵たち『!? ひっ……』
女騎士「なっ……」
衛兵「うっ、うわぁ! 勇者だ!」
衛兵隊長「ええい、狼狽えるな! なにが勇者だ! 起き抜けの小僧に何が出来る!」
勇者「そこのお前」
衛兵「!?」
勇者「剣をーー」スッ
クルッ、ゴキッ。
衛兵「ぐはっ」
勇者「借りるぞ。俺のは文化財になっちまったからな」スチャ
- 62 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:03:05.251 ID:JFCxdsQR0.net
- やっぱ強いんだな
- 63 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:03:39.863 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「な、なんて動き。1000年前にあんなに洗練された格闘術が……」
衛兵隊長「な、なにを呆けている! かかれー!」
衛兵「う、うぉーっ!」
衛兵「囲んで倒せー!」
勇者「甘い」
衛兵1「ゔっ」
衛兵2「あがっ」
衛兵3「げふっ」
勇者「はっ、まるで相手にならないーーなっ」
背後にいた衛兵「ごっ……!」
勇者「ーーっと」
- 64 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:05:23.732 ID:o5ewSOLI0.net
- ひさびさに更新連打してる
- 65 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:05:24.322 ID:vVYCy8xl0.net
- オーク「つ、強い」
兵士「俺たちも出るぞっ」
『らあぁぁあ!』
衛兵「! なっ、何だ? 連隊の奴らか!」
オーク「降参しやがれてめえらぁっ!」
衛兵分隊長「ふ、ふざけるな! 俺たちは貴様ら田舎の兵士とは違う! 本国から来たーーぐっ!?」
勇者「よそ見はいけないな」
ドサッ。
衛兵分隊長「」
衛兵「よっ、よくも分隊長を! くそ! これでも喰らえ!」
勇者「っ?」
- 66 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:05:55.693 ID:0uBnwPgga.net
- 燃える
- 67 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:07:32.378 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者(何だ? 剣刃が光っている。魔法? 斬撃の延伸か? ただの兵士がそんな真似ーー)
女騎士「避けろ!」
衛兵「そらぁっ!」
ドンッ
女騎士「くっ……」
勇者「!!! なっーー」
勇者(光!? 斬撃の投射!? そんなことが!? 女騎士さん僕を庇ってーー)
ドサッ
女騎士「……」
オーク「た、隊長ぉー!」
兵士「くっ、くそっー!」
勇者「い、一体なにが」
衛兵隊長「……は。そうか! あははは! 傑作だ! 勇者様はペネトレイト・レイを知らないか! そうだよな。〈カリボール〉の時代の人間だ!」
- 68 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:09:10.400 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「な、に……?」
衛兵隊長「剣だっ! 〈カリバーン〉だよっ、ははは!」
勇者「カ、カリバーン? アルビオンのーー」
オーク「んなこたどうでもいい! 隊長を早く!」
衛兵隊長「はははっ、諦めろ! 貴様ら全員ここが墓場だ! よかったな勇者様! 今度はみんなで霊廟行きだ! 寂しくないだろう!?」
総督衛兵「よっ、よしっ。連隊長は倒したんだ。勇者だって……!」
衛兵「や、やれるぞ!」
連隊長「そうだ諸君! 奮い立て! こいつらを殺して、一緒に本土へ帰ろう! 我が麗しのガリアに!」
総督衛兵隊『う、うぉぉお!』
オーク「くっ、このおぉお!」
- 69 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:11:16.802 ID:vVYCy8xl0.net
- 衛兵「なにが勇者だっ! そらっ! もう一丁お見舞いしてやる!」
衛兵「近づかずに剣の魔法で仕留めろ!」
ドンッ ドンッ
勇者「くっ、切っ先から光の矢!? こんな雑兵がっ」
衛兵隊長(ふ、ふふ……。そうだ殺しあえ。お互い人数を減らしてくれた方が、後の"処理"が楽で助かる。本土へ帰るのは私と総督2人でいいんだ……。ああ、悠久の都エルル。私はもうすぐーーぐ、ぐぅ?)
衛兵隊長「ぐうぅ!? なっ、なぜっ……オエェっ。なぜ!?」
女騎士「隙ありだ」
- 70 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:13:56.023 ID:vVYCy8xl0.net
- 衛兵隊長「なぜえぇ!!」
女騎士「同じ〈エスカリボール〉では無かったという事だ。貴様のはガリアのライセンス生産品。私のはアルビオン製の〈エクスカリバー M-1〉。認めたくはないが、やはり本国仕様はモノがいい。鞘の防御魔法も優秀だ」
衛兵隊長「ぐっ、……ふふふふ」
女騎士「なにがおかしい」
衛兵隊長「いやなに、げぼっ、やはり君は私の理想の……り、そう……のーー」
衛兵隊長「」
衛兵「あ……。そ、そんな……隊長が」
衛兵「お、おしまいだぁ」
女騎士「さあ全員武器を捨てろ! 望み通りガリア本国へ帰してやる! 凱旋とはいかんがな」
- 71 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:14:00.758 ID:1lIy8VSU0.net
- 寝れない
- 72 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:15:34.891 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー洞窟内
マスター「終わったな。おら行くぞ」
総督「くっ、離せ! なぜこの私が!」
マスター「ぐちゃぐちゃ言ってると"撃つ"ぞ?」
総督「っ、わ、わかった。わかったから」
マスター「お利口だ。これ(マニューリン MR93 リボルバー)が何か知ってるってことは、この島の秘密も知っているのかな?」
総督「? い、 一体何のことだ?」
マスター「ああ、知らんならいい。忘れろ」
総督「痛っ、わかった。わかったよ!」
- 73 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:16:03.779 ID:0uBnwPgga.net
- ふむ
- 74 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:17:15.136 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー帰り道。
オーク「ほれ、さっさと歩け悪人ども」
衛兵たち「うう……」
女騎士「すまなかったな。起きてすぐ、人間同士の殺し合いに巻き込んでしまった」
勇者「いえ、感覚的には実戦続きなので」
女騎士「確かに、1000年のブランクは感じなかった」
勇者「……でも、驚きました。剣から光の矢が飛んできて、貴女を……」
女騎士「ああ」
勇者「信じられません。あんな攻撃をあんな普通の兵士が撃つなんて」
女騎士「無理もない。衛兵隊長が言っていたろう。お前は〈カリボール〉の時代の人間だと」
- 75 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:18:59.658 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「ええ。あれはどういう……」
女騎士「あれは"剣による遠距離攻撃が出来ない時代の"という意味だ。現在は〈エスカリボール〉……というか、まあアルビオンの〈エクスカリバー〉シリーズに代表される、射撃魔法付きの軍用刀剣が当たり前の時代でな」
勇者「えくす……かりばー」
女騎士「そうだ。遠距離攻撃魔法を組み込んだ画期的なカリバーン、それが〈エクスカリバー〉だ。頭のエクスは"外へ"を意味する頭字語、"ex"。間合いの外を討つ剣に相応しい名前だろう」
勇者「なるほど。それでエクス、カリバー」
マスター(俺の世界じゃ魔法がないから、exは出どころ不明となっているがね)
- 76 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:21:25.073 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「最初の〈エクスカリバー〉が出来たのがおよそ700年前だ。爆睡中のお前は知る由もないな。以来、〈エクスカリバー〉シリーズは軍用刀剣のシェアトップを独走し続けている。
残念ながらガリア軍も自国製がトライアルで敗れ、〈エスカリボール〉の名で採用しているし、私の腰にぶら下がってるのはM-1という最新のエクスカリバーだ。
……これのおかげで命拾いした」
勇者「……僕は、貴女のおかげで命拾いしました。本当にありがとうございます」
女騎士「ふっ。勇者に恩を売ったか。あとで何に化けるか楽しみだな」
勇者「あはは、怖いな。でも僕は起きてからずっと、恩を売られっぱなしですよ」
- 77 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:22:48.185 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー翌朝。 連隊兵舎。
女騎士「おい、起きろ」
勇者「んぶぁ! ……はい!」
女騎士「おお、寝起きがいいな」
勇者「もう1000年寝るのは御免ですから」
女騎士「はは。安心しろ。8時間くらいしか寝ていないぞ」
勇者「……ぐすっ。良かったです」
女騎士「泣くな。食事を摂ったら出かける
ぞ」
- 78 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:24:34.328 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー港
勇者「ふ、船って……これ……」
女騎士「ガリア空軍南帯洋艦隊所属、空中巡洋艦エクーだ」
勇者「し、信じられない。こんな……鉄の船が、浮いてる……」
女騎士「今朝方着いたばかりだが、本来は島に寄らずにガリアまで戻る予定でな。救援物資を下ろしたら、夕方にも出航する」
勇者「は、はあ」
女騎士「あれに乗ってガリアに帰れ」
勇者「えっ!?」
女騎士「あれなら一週間でガリアまで行く。エルルは様変わりしたが、シュルイユ宮殿などはまだあるぞ。あれは確か1000年前にはあったはずだ」
勇者「え、いやーー」
- 79 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:24:45.914 ID:0uBnwPgga.net
- 設定細かくていいな
- 80 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:26:04.575 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「それと、生家近くのパサージュ・サン・ヴェルニー噴水広場には、お前の銅像が建っている。デスマスクから取った顔の造形は見ものだぞ。鏡持参で見に行くといい」
勇者「デ、デスマスク……。って、そうじゃないですよ! なんでそんなに急いで帰そうとするんです!?」
女騎士「海路は倍以上の時間がかかる。空路で行くチャンスはこれだけだぞ」
勇者「で、でも……」
女騎士「私もこの島での任務はお終いだ。5日後にはブレアーゼルに乗って島を離れる。リグリアのポルト・ピアクシオで下艦し、陸路でガリアに向かう予定だ。向こうで会おう」
勇者「な、なんでそんな時間のかかるっ……」
- 81 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:28:19.009 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「休暇を兼ねているからだ。途中、トロイセンのバート・バーヘンでゆっくり湯につかろうと思ってな。大陸最高のクアバート、一度行ってみたかったんだ」
勇者「そ、そんな」
女騎士「そんな顔するな。マスターが一緒に同行してくれる」
勇者「そもそも誰なんですかあの人」
女騎士「道中聞け」
勇者「ひ、ひどい」
- 82 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:28:56.342 ID:tuZ1kNZQ0.net
- まぁ突然起こされてほれ故郷へ帰れは戸惑うな
- 83 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:29:05.861 ID:JFCxdsQR0.net
- これすごく出来良くね?
- 84 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:30:44.218 ID:vVYCy8xl0.net
- 「ーーさまー」
「勇者さまー。どこ行っちゃったんですかー」
「勇者さまー、島から出る前に是非ウチの店にー」
「ウチの店にサインしてってくださいー」
「子供たちに冒険のお話をー」
女騎士「はは。どうやら島から居なくなるのがバレたな」
勇者「ええぇ……」
女騎士「1000年も面倒見てくれた島民だ。店の壁にサインくらいしてやれ」
勇者「……そうですね」
女騎士「チヤホヤされて、馬鹿騒ぎして、手厚くもてなされればいいさ。1000年ぶりだ。バチは当たらんだろ」
勇者「はい……」
- 85 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:32:22.069 ID:vVYCy8xl0.net
- ーー夕方。港。
オーク「はいはい、一般人はこの線の外側。空中艦は危ないよー」
島民たち『じゃあな勇者さまー!』
『元気でー』 『もう1000年も寝るなよー』 『あんたはガリアの誇りだー!』 『また来いよー!』
勇者「ううっ、みなざん……あでぃがどう……』
『泣くなー』
『あはは』
- 86 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:33:35.400 ID:vVYCy8xl0.net
- マスター「ほれ、行くぞ。タラップはしっかり手すりを掴んで登らないと危ないからな」
勇者「はい……ぐすっ」
マスター「ったく、とんだ泣き虫勇者様だな」
女騎士「彼を頼んだ、中佐。一緒に働けて良かったよ」
マスター「ああ。俺もだ」
女騎士「またどこかで。ヴィーヴ・ラ・フランス」
マスター「ヴィーヴ・ラ・ガリア」
女騎士「それと、店で西暦世界の酒を出すのはよせ」
マスター「バレてたか」
- 87 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:34:11.473 ID:0uBnwPgga.net
- ほう
- 88 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:34:34.744 ID:vVYCy8xl0.net
- 女騎士「ラガヴーリンだろ。アイラウィスキーは個性の塊だからな」
マスター「ワイン以外も分かるのか。いいね。じゃあ次はジャパニーズのカスクストレングスを持ってこよう。とっておきだぞ」
女騎士「期待している」
勇者「女騎士さん……僕っ……ぼくっ」
女騎士「泣け」
勇者「ゔえ〜ん!」
乗組員「上がりまーす!」
女騎士「ではな、英雄」
- 89 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:36:05.775 ID:vVYCy8xl0.net
- ーーーー
オーク「……いいんすか、乗らなくて」
女騎士「もう上がってしまった」
オーク「……なんというか、俺はあると思いますよ」
女騎士「なにがだ」
オーク「短い時間で男女が惹かれあってですね、それでーー痛てっ!」
女騎士「馬鹿なこと言ってないで戻るぞ」
オーク「見えなくなるまで手ぇ振ってやりましょうよ」
女騎士「……そうだな。……ん?」
オーク「なんか揉めてません?」
- 90 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:37:05.947 ID:vVYCy8xl0.net
- 『やっぱり嫌だっ』
『バカ言え、飛び降りる気か!?』
『か、艦内へ入って下さい勇者様!』
『あ、あああああ』
女騎士「」
オーク「」
とぽーん。
- 91 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:38:51.215 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「ーーた、ただいま帰りました」
女騎士「馬鹿か」
オーク「よくあそこから飛び降りようと思ったな」
勇者「女騎士さん! 僕はヒヨコになってしまいました!」
女騎士「……は?」
オーク「頭打ったんじゃないすか」
勇者「目覚めて最初に見た人についていかないと、不安だということに気が付いたんです!」
オーク「……ああ、なるほど」
女騎士「私は親鳥じゃないぞ」
- 92 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:39:26.461 ID:yeGwCul40.net
- なんか乗組員の上がりまーすで笑ってしまった
- 93 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:39:47.152 ID:tuZ1kNZQ0.net
- ワロタ
- 94 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:40:51.102 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「お願いです寂しいんです! 僕ひとりぼっちですよ! 見捨てないでください!」
女騎士「ちょ、す、縋り付くなっ。近い……////」
オーク(おお、照れた)
勇者「あと、出会って3日も経ってないですが、好きかもしれないです!」
女騎士「はっ、はあ? な、なにを…… ///////」
- 95 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:41:18.203 ID:1lIy8VSU0.net
- 祝 アニメ化
- 96 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:42:08.464 ID:vVYCy8xl0.net
- 勇者「正直かもしれないだけなんですけど、やっぱりここで別れるのは無いかなって!」
島民『おおー』
勇者「一緒にガリアまでゆっくり帰りましょう! 僕も温泉入りたいです!」
女騎士「いや、そっ、き、急に言われても……そのっ……。こ、心の準備が……」
勇者「準備の問題ですか! 嫌じゃないんだ! いやっほーい!」
島民 パチパチパチ
勇者「やったー」
女騎士「わ、分かった! 分かったからもうやめろ! 恥ずかしい! ーーなんだその顔は軍曹!」
オーク「別に」
女騎士「ぐっ、か、解散だっ! ほら散れ! みんな瓦礫の片付けに戻れ! ほら!」
- 97 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:45:14.912 ID:vVYCy8xl0.net
- ーーエクー甲板。
マスター「若いねぇ」
部下「……どうします?」
マスター「いいさ、行こうーーおい、艦長に予定通り出発すると伝えてくれ」
乗組員「はっ」
部下「……いいんですか?」
マスター「土産は総督一派で充分だろ。それに、ガリアには戻るって言ってるんだ。ちょこっと遅くなるだけさ」
部下「しかしーー」
マスター「下見てみろ、幸せそうだ」
\やったー/ \うるさい!/ \顔赤いぞー/
\はははは/
部下「……そうですね」
マスター「な? 俺はああいうのに水を差すような育ち方してないんだよ。パリジャンだからな。ーーさ、中へ入るぞ。高度が上がってきた。いい加減寒い」
- 98 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:46:06.032 ID:vVYCy8xl0.net
- おしまい。最後文字変わっちゃった。残念。
- 99 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:48:29.872 ID:yeGwCul40.net
- らぶchuchu外伝希望
- 100 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:49:43.640 ID:JFCxdsQR0.net
- この続き観てえよおお
- 101 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:50:13.216 ID:1lIy8VSU0.net
- 乙
- 102 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:50:13.647 ID:o5ewSOLI0.net
- 良かった!
帰路編待ってるぞ!
- 103 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:51:15.896 ID:0uBnwPgga.net
- 乙!
ハッピーエンドでよかった!
マジでアニメ化してほしい!
- 104 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:51:28.900 ID:vVYCy8xl0.net
- こんな時間にごめんなさいね。ここでやったのは気まぐれ。普段はROM専なんだ。
なろうに上げる予定のお話の設定を使っているから、それなりに凝った出来になってしまった。
だからまあ、著作権とは言わないけど、設定に関しては一応知的財産だと主張しておこうかな。
では。
- 105 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:52:08.451 ID:JFCxdsQR0.net
- 乙 タイトルつけるとしたら…?
- 106 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:52:44.586 ID:BQAi43iM0.net
- おつ
- 107 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:53:07.643 ID:0uBnwPgga.net
- そうか
いつか書籍化されるといいな
また>>1の作品読みたい
- 108 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 03:57:39.437 ID:vVYCy8xl0.net
- あと固有名詞は有意味語と無意味語を組み合わせてあるから、気になる人は調べてね。
例えば
イル・オーは"島の村"的な意味のフランス語。
アバンダンスは"豊富な"的な意味の英語。補給艦だからね。
クニャージはロシアの貴族称号。
- 109 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:02:36.934 ID:vVYCy8xl0.net
- なろうに投稿したら、宣伝がてら続きでも書こうかな。
あと5ちゃんに関しては無知なので、HTML化とか一切わかりません。
誰が小銭を稼ごうがどうでもいいから、転載でもまとめサイトでも好きにしていただいて、残してもらえたら嬉しいかな。
じゃあまた。
- 110 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:12:22.549 ID:gMhzDJQc0.net
- おつ
タイトルかペンネーム教えろ
本が出たら買うから
- 111 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:22:38.637 ID:SDWSxFHn0.net
- 設定凝ってんなぁ
面白かった
- 112 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:26:54.571 ID:l/lma3dU0.net
- 素晴らしい夜だ
- 113 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:29:33.820 ID:9dMLE41j0.net
- すげえ
- 114 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:32:42.077 ID:XdW1Wep3d.net
- おつー
そして記念カキコ
- 115 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:40:32.849 ID:wLGDCnuir.net
- 面白かったな
マスターも色々ありそうだ
- 116 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:42:45.090 ID:ZBTHK9Sc0.net
- 強引なラブコメ落ち以外すげえ面白かった
何故平日深夜に…
- 117 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 04:44:47.905 ID:nKcC55240.net
- 初めて見る設定で楽しませてもらった
- 118 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 05:00:13.607 ID:pYo9SIz00.net
- 乙!
- 119 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 05:46:37.740 ID:IVipcilX0.net
- 記念パピコ
- 120 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 05:48:14.361 ID:771kxf050.net
- SSスレとか懐かしいな
VIPのSSスレはキチガイ荒しが沸いて廃れたんだよなぁ
- 121 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 05:56:54.415 ID:AnG26wlv0.net
- >>4
- 122 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2019/02/14(木) 06:01:22.497 ID:KZvfo/2x0.net
- >>4
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